Author:ボブ
バカです。
最近思っていたのはコンプロを改造する上での最大の難点は「完成品であること」じゃないかと思い始めています。以前から合わせ目をパテで埋めるだけだとテンションがかかった時に未接着箇所のパテが割れて合わせ目が出てきたりとか、分解しないと細かい部分をマスキング出来なかったりとかがストレスになる時が多々ありまして。
某スレで丁度話題になっていたのを見て思ったのですが、もしかしたらこの分解がコンプロ改造人口増加の妨げになっているのでは…。そんな訳で人様に物事の講釈をする様な腕前でもないのですが、自分なりに経験で得たことを書いてみます。多分、コンプロを分解した数ではかなりのものだと思いますので、偉そうな表現もあるかもですがご容赦下さい。…というわけで、ダラダラ長いですが、少しでも参考になれば幸いです。
■必要な道具
これが無いと何も出来ない、というものは特にないのですが、あると便利なものを挙げてみます。
(1) デザインナイフ
コンプロは基本的に接着されているので、ダボをカットする前提で臨む必要があります。
必ずしもデザインナイフである必要はありませんが、何かしらの刃物は必要です。
隙間に押し込んでテコの要領でこじ開ける時にも使えるのでほぼ必須に近いアイテムです。
(2) 精密ドライバ
デザインナイフだと刃が欠けることがあるので、パーツセパレータ代わりに使います。デザインナイフで少し隙間を開けたらドライバにチェンジしたり。もちろんプラスでは役に立たないのでマイナスを用意します。
小型のノミや彫刻刀でも代用出来ますが、それらは先端が鋭利なのでパーツを破壊してしまう場合や、逆に強固に接着されている箇所でテコ入れすると刃の先端が欠けたりしますので、適材適所で使い分けるといいと思います。
(3) 瞬間接着剤
接着されている関係上、分解には高確率で破壊を伴います。復旧の為にはほぼ必要になってきます。
多少のキズや合わせ目も消せるのでこれも必須と言っても差し支えないでしょう。
(4) ドリルの類
ピンバイスとかハンドドリルとか。
物によっては巨大なダボがあり、ナイフでは容易に破壊出来ない場合があります。そんな時に活躍します。
■分解の基本
(1) 素材と組み立て方式
コンプロは大まかに分けて3種類の素材で構成され3通りの組み立て方法が採られています。それを知っておくと分解の際に少し手助けになるかもしれません。
まず、3種類の素材とはご存知の方も多いと思いますが、ABS、POM、PVCです。一部の機体ではダイカストも使われていますが、ほんの一部なので無視します。
ABSは混合素材で、材料成分の混合比を変えることで様々な特性を持たせることが出来る素材です。その為、一口にABSといっても使われている場所によって性質が異なります。コンプロの場合、関節部等負荷がかかる箇所には柔らかめのABSが、装甲等ではガンプラに使われているPS(ポリスチレン)と似た感覚のABSが使われています。ナイフを入れた感じとかヤスリがけしてみた感じとかで多分違いがわかると思います(私の勘違いかもですがw)。ABSは接着も加工も塗装も容易なので、分解の際には後で修復する気力や覚悟があれば遠慮なく破壊して構わない素材です。
次にPOM。これは耐摩耗性に優れた材質でコンプロでは主に関節部に使われています。こいつが厄介なのは、殆ど塗料も乗らない上に接着も余り上手く行きません。破壊してしまうと復旧が困難になるので分解する際には扱いに気を遣う必要があります。
PVCは軟質アンテナや動力パイプ等に使われている柔らかいアレです。分解が必要な箇所には余り登場しませんが、ザクの頭部動力パイプやギラ・ドーガの動力パイプ等で対戦します。接着も可能なので遠慮なく破壊して構わないのですが、若干強度が落ちますので、なるべく破壊せずに分解したいパーツです。
次に3通りの組み立て方法とは、接着と未接着とはめ込みです。未接着はギミック等の関係で取り外し可能にする為にあえて接着していない箇所と考えてください。はめ込みは未接着とほぼ同義なのですが、関節部等可動の為の部分。それ以外は大概の場合が接着されています。自分で組み立てる武器とかその辺は今回無視します。
(2) 手順
まずは分解したい箇所に付いている余計なものを可能な限り取り外します。上述の未接着箇所とはめ込み箇所です。未接着箇所は基本的に苦労しなくても外せると思うのですが、PVCに全塗装しているパーツだと稀に固着している場合があります。その場合はナイフや精密ドライバ等を突っ込んでテコの要領で外します。
はめ込み箇所は引っこ抜けば基本的には外れるのですが、はめ殺しになっていて外れない場合もあります。破損覚悟でフルパワーで引っこ抜くか、パーツを曲げて抜くか、諦めるかしなければなりません。周りがABSならば一度周りを切断する方法もあります。
分解対象部をなるべく身軽にしたらいよいよ分解に入ります。コンプロは強固に接着されている箇所が多いのですが、基本的には点止め接着で、パーツの接合面全体を接着しているのは稀です。また、ダボを全て切り飛ばす前提でもいいのですが、未接着のダボもあるので残せるものは残した方が後が楽です。なので、基本的な方針としては「パーツの合わせ目に沿って接着箇所にナイフを入れる」ということになります。
例えば、下の画像。前腕部の肘側のダボは生きています。個体差もあるので必ずしも接着されていないとは限らないのですが、下側のダボをカットするだけで分解出来た例です。
まずはパーツの合わせ目にナイフを入れます。ここで大きく隙間が開く場合、開かない場合あるかと思いますが、開かない場合は一度精密ドライバー等を突っ込んで広げてみます。上手く行けば接着の甘い箇所はそれだけで外せます。
そして隙間から中を伺い、接着箇所を探します。接着されていそうな箇所にはナイフを入れてやります。ダボが接着されていなければこれで分解できます。
別記事からの流用画像なので余計な矢印が入っていますが、この陸ガンの脚は接着部位にナイフを入れるだけで外せた例です。
それでもダメならダボを切断します。ダボ位置は大体の機体で共通していますので、何体か分解すると他の場合にも位置を推測できます。例えば、胴体であれば中央部と脇腹のパターンが多いです。
胴体の場合、中央部のダボがかなりやっかいな場合が多いです。強固に接着されている場合には首のパーツを外したり、バックパックを外した背中側等目立たない所からドリルを入れたりする等してダボを破壊しましょう。テコ方式でテンションをかけすぎるとABSが白化したり、支点の辺りが壊れたりしてしまいます。
それ以外にも修復前提であればABSパーツは大胆に破壊しても問題ありません。極端な話、ノコで一気にカットして接着時にキズを埋めるでもいいわけです。
ただし、POMは修復が非常に困難ですので、要注意です。次の画像は失敗例。
②のパーツを取り出したいが為に①の線でPOMパーツを切断してしまいました。POMパーツは普通の接着剤では付きませんので仮に接着しても非常に強度が落ちてしまいます。
ざっくりと書いてみましたが、基本はこんな感じです。知ってる方には当然のことしか書けてなくてスミマセン。
最後に分解画像が見れるページを幾つか。こういうところを参考にすると分解が容易になるかと思います。
■おもに、はいこんぷろさん。
・ [HCM Pro] ガンダムMk-Ⅱ -パーツ分解-
・ [HCM Pro] ガンダムMk-Ⅱ -パーツ分解 Part.2-
・ [HCM Pro ν GUNDAM] 改修 -其の一-
上記以外にもトップページの右側、モノアイ -クリアパーツ化-の記事にも分解画像が多数掲載されています。
すっ、素晴しすぎる!これはHCMpro改造指南テンプレにすべき記事ですよ!
三種類の素材と三種類の組立て方法、成るほどと納得の内容です。
ところでボブさんは関節を生かす派?というかみさん関節を活用しているとか?
ABS(ガワ優先)>>>>>>PVC>POM(ブキヤ関節置き換え前提)
のaryuは多分異端??
最初に「3種類の素材と3通りの組み立て方法」というキーワードを出してくるとか、その後の文章が客観的かつ具体的に書いてあって、非常にわかりやすく参考になりました。
ぶっちゃけ仕事でこういう文章が書ければいいと思います。
今コンペに参加してるザクも、ボブさんの記事があったからこそ無事に分解できたわけで、いくら感謝してもしきれません。
>aryu_aryuさん
私は…改造箇所とか、機体次第ですね。外装を重視する時もあれば関節を重視する時もある感じです。
ただ、個人的にはABS関節はなるべく使いたくないですね。コトブキヤのは特によく割れる印象が強いです。塗り方が下手なのかも知れませんが…。
>あざらしさん
いやいやいやいや褒めすぎです(^^;
それに文章はお褒め頂いた後で申し訳ないのですが、実は通勤電車の中で携帯で書きためたので、結構あちこちに問題が…orz
ザクについては私もNickさんの記事があったから出来た訳で、オリジナルはやはりNickさんですね。
Nickさんのところも1年近く更新が止まっちゃってますけど、復活して欲しいですね。
http://200maniax.blog109.fc2.com/tb.php/496-6eeb79d1
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